ダンカン・ジョーンズ ネタバレ有レビュー(月に囚われた男/ミッション:8ミニッツ)

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ダンカン・ジョーンズという監督を知らない状態で観たSF映画2本。

これまで映画は2本しか撮影していない監督の、その2本共に立て続けに、本当に連続で出会うというのは、中々の偶然かもしれない。

そして、両方共、僕の琴線に触れる、最高のSFだった......ということで、まとめて感想を。

ネタバレありです。

月に囚われた男


地球に必要な資源を採掘するために3年間の契約で、たった一人、月面基地に滞在する男、サム。

地球への期間まで残り2週間というところで、作業中に事故を起こし、サポートロボのガーディに連れて変えられ、目を覚ます......というところから、ストーリーは展開していきますが、事故現場に放置された「自分に似た男」を見つけ、それが、これまで働いていたサムであり、自分は次のサムとして起こされたことに気づき、基地内に大量に眠る、次のサムを見つけ......というお話。

クローンは、地球時代の思い出だけを拠り所に働き、耐用期限が来ると廃棄され、また次のクローンが同じ記憶を持って生まれるというプログラム。現代社会の期間労働者を使い捨てにする大企業へのアンチテーゼも込められているように感じます。

自分がクローンだと知らずに生活を送り、最後には、企業の利益のためだけに死を迎える様は、映画アイランドとも共通する設定ですね。

物語は、常にたった一人(の一人二役)+ロボットで進むシンプルな構成や、序盤のちょっとずつあらわになる違和感から、真実につながっていく作り方が、非常にうまく、これぞSFだといった面白さを感じました。

ミッション:8ミニッツ


こちらは打って変わって軍の話。
アフガニスタンでヘリを操縦していたはずのコルターは、ふと気づくと列車に乗っており、親しげに話しかけてくる見知らぬ女が目の前に。ましてや、鏡に映る自分の顔も、別人、身分証明書にはショーンという名前、何が起きたのかと混乱しているうちに、列車が大爆発を起こす。

実は、コルターは既に身体の大部分が欠損し、かろうじて脳のみが生かされている状態で、有る軍研究者の極秘研究プログラムの一部に入り込まされ、先に起こったテロ犠牲者の死ぬ直前の「8分間の記憶」を元に再生されるパラレルワールド上で、新たなテロを阻止すべく、犯人を突き止めるために、その8分間を繰り返しループし続ける......という話。

テロ犠牲者の8分間の記憶を元に世界で再現されたパラレルワールドではあるのだけど、ショーンの行動によって、8分間の結末(どのように死ぬか)は次々に変わっていく。

とまあこんなお話なのだけど、既に死んだ他人の記憶に、既に死にかけている(世間的には死んでいる)人が入り込み、並行世界で進む8分間という限られたストーリーを何度も繰り返すという設定が、非常に興味深い映画でした。

映画中9回繰り返されるこのパラレルワールドでの、徐々に変わっていく物語の変化や、その演技も楽しませてくれるポイントですね。



以上2作品の感想ですが、共通しているのは、設定が斬新だということ、それから徐々に真実が明らかになる序盤のストーリーテリングがうまいこと、そして前者は一人二役、後者は同じだけどちょっとずつ変わるストーリーを繰り返し演じるという演出、演技の部分が重視されているところでしょうか。

ダンカン・ジョーンズの次回作はオンラインゲーム「World of Warcraft」の実写映画『ウォークラフト(原題) / Warcraft』2016年3月11日だとのこと。


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