読書メモ「地方分権の失敗 道州制の不都合 円滑な推進に向けた経済学的論点整理(伊藤敏安 著)」

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地方分権の失敗 道州制の不都合 円滑な推進に向けた経済学的論点整理を紹介します。

先日から、ぼちぼち地方分権、道州制の勉強を始めてますが、本書もその一環で購入。


道州制の議論の多くは、それに移行することによる「バラ色の未来」を実現するために必要な手段だという論調ですが、本書は、タイトルの通り、それに一石を投じるものです。

とはいえ、道州制や地方分権ではダメだというスタンスなのではなく、あくまで、全てがよい方向に行くのではないという前提のもとで、ではどう進めるべきか慎重に議論していく必要があるというもので、さまざまな識者の見解などを引用しつつ、道州制のあるべき姿に切り込んでいます。

副題に「経済学的」とある通り、本書のかなりの部分を経済学や財政などの観点からの見解が占めており、その方面は全くもって無知な自分にとっては、けっしてとっつきやすい内容ではありませんでした。おそらく、じっくり、色々と調べながら何回も読みこまないと「知識」にもならないレベル。大学時代、政治学科に所属しながら、こういった学問に触れることなく一切を放棄してきたつけをいまさらながらに感じますが、後の祭り。いまさらですが、焦ることなく、広く浅く勉強しつつ、少しずつ理解を深めていきたいと思います。

また、同じく副題として「論点整理」とあるように、本書を通じて、何かしらの一つの答えを導き出す趣旨のものではなく、さまざまな考え方や思想を紹介しつつ、道州制、もしくは地方分権を進めるにあたって、議論を尽くさなければならないポイントをまとめ、整理するという流れ。

そういう意味では、読み終わったときのモヤモヤはあるのですが、今後、これらの問題を勉強するにあたっては、非常によい教材であろうと思います。

さて、最後に、本書、第六章の扉面に引用されていた、この議論の中で発されている二人の発言を紹介して、本エントリーを締めくくります。

今後、僕たちがこの議論を進めていくうえで、棚上げすることはできないまぎれもない事実であろうと思います。

中国経済連合会の高須司登前会長
道州制を導入しても地方の人々が現在より経済的に豊かになるとは限らないが、そういう覚悟でとりくまなくてはならない

櫟 本 功広島大学名誉教授
いまより良くなることはならないにしても、道州制を導入しなければさらに悪くなる



地方分権の失敗 道州制の不都合 円滑な推進に向けた経済学的論点整理
伊藤 敏安
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