平成23年度税制改正法案一部切り出し成立の要点まとめ

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平成23年度の税制改正法案が一部切り出して成立してから、もう2カ月ほどたっていますが、ちょうど、本日打ち合わせで会計事務所に行ってきた際に、その話題が出ましたので、簡単に要点をおさらいしつつ、まとめておきたいと思います。

通常であれば、1月に提出、3月に成立する税制改正法案ですが、政治の混迷によって調整が難航した結果、「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」によって、その一部だけの改正が成立したのが6月22日のことでしたが、経営にあたっても、いくつか重要な法案が含まれます。
現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案要綱の詳細は財務省ホームページに掲載されています。


事業者免税の用件見直し

個人であれば前々年度、法人であれば前々事業年度の売上高が1000万円未満である場合は、事業開始後の2年間は消費税を免除される免税事業者とされるわけなのですが、これに、以下の期間に売上高が1000万円を越える場合は免除されないという要件加わりました。

① 個人事業者のその年の前年1月1日から6月30日までの期間
② その事業年度の前事業年度(7月以下であるものその他一定のもの(③において「短期事業年度」という。)を除く。)がある法人の当該前事業年度開始の日以後6月の期間
③ その事業年度の前事業年度が短期事業年度である法人のその事業年度の前々事業年度(その事業年度の基準期間に含まれるものその他一定のものを除く。)開始の日以後6月の期間(当該前々事業年度が6月以下の場合には、当該前々事業年度開始の日からその終了の日までの期間)

前々年度の売上高が1000万円未満であっても、前年度の上半期の売上が1000万をこえてしまうと、免税されないというもの。

2年間の免税措置は、起業したての会社にとっては非常に有利な制度であったのですが、初年度は免税条件をクリアしていても、2年目から急成長し始めると、消費税を納めないといけなくなるようです。

何としても税金取りたいということですね......。

上記の改正は、平成25年1月1日以後に開始する個人事業者のその年又は法人のその事業年度について適用する。

とありますので、これから起業を考えていて、2年間の免税措置をフルに利用したい場合は、来年平成24年の12月までに法人を開設(11月決算)すればよいということになりますね。

また、消費税関連では、課税売上5億円以上の事業者は、消費税仕入税額控除の95%ルールが使えなくなるとのこと。経理の実務上、かなり面倒な処理になるでしょうね。ラインが5億円なので、相当数の会社は関係のない話しではありますけれど。

特別税額控除制度の創設

雇用対策の一環で、以下の法案も成立しています。

3) 雇用者の数が増加した場合の特別税額控除制度の創設
青色申告書を提出する事業者で当期及び前期において離職者がいないことにつき証明がされたものが、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち、基準雇用者数が5人以上(中小企業者等については、2人以上)及び基準雇用者割合が100分の10以上であることにつき証明がされ、かつ、給与等支給額が比較給与等支給額以上である事業年度において一定の事業を行っている場合には、20万円に基準雇用者数を乗じて計算した金額の特別税額控除ができることとする。ただし、当期の税額の100分の10(中小企業者等については、100分の20)相当額を限度とする。(租税特別措置法第10条の6、第42条の12、第68条の15の2関係)

ざっくり言うと、一定の基準(5人以上もしくは中傷企業は2人以上および、現在の10%以上の増員)を満たす形で、新しく従業員を雇用した場合に、一人につき、税額を20万円控除できるというもの。

雇用促進計画をハローワークに提出してあり、給与支払額が前期よりも一定以上増加しており、当期および前期に会社都合退職者がいなければ、適用されるようです。

それほど面倒な手続きは必要なく、計画を達成できなくても特にデメリットもないようなので、可能性が少しでもあるようであれば、届け出ておいて損はないでしょう。

これは3年間の時限措置です。

ますます悪化する雇用問題への対策ですが、どこまで有効なのかはよく分かりません。


法人減税の先送り

これは成立しなかった法案の話題ですが、目玉政策の一つとされていた法人減税は、先送りされています。

具体的には、法人税率の30%→25.5%への引き下げと、中小企業の年800万円以下の所得に適用される軽減税率18%→15%への引き下げです。中小企業者等の軽減税率18%は、そのまま延長されることとなったため、現状維持ということのようです。

その他、気になるのは、成立したものでは、NPO法人等への寄付減税や、先延ばしされたものでは、高所得者への給与所得上限の設定などがありました。


元々の法案のまとめはこちらのPDFが分かりやすいです。

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