読書メモ「決断力 (羽生 善治著)」

| コメント(0) | トラックバック(0)


このエントリーをはてなブックマークに追加

棋士である羽生善治さんの著書、決断力を読みました。

かつては、僕自身も将棋に真剣に取り組んでいた時代がありました。

何度かワイドショーをにぎわせた女流棋士の林葉直子さんと対局したのもよい思い出。中2だったかな? 8面指し(林葉さんと8人のアマチュアが同時に対局)で2枚落ちとかだったと思います。2,3名は林葉さんに勝ち、僕もその中の一人だったのだけど、胸を強調しまくったボディコンスーツに身をまとい、どぎつい化粧でびしばし駒を進める彼女に、いろんな意味で興奮しながら、棋士との対局に緊張しながら将棋を指していた記憶は、今も記憶に新しいです。

中学時代、中国地方の大会では準優勝もしましたし、その時優勝した、同級生でライバルだったI君は高校の時に全国大会へ。一瞬はプロ棋士を目指そうかななんて思ったこともありますし、同じ(中高一貫の)学園の後輩、後の片上大輔六段と切磋琢磨した中高時代を思い起こします。

片上六段と切磋琢磨というのは、相当、そーとー、話を盛っていますが(笑)、3つか4つ下に、同じ将棋道場に通っていた、当時すでに奨励会員だった片上君が同じ学校の同じ部活に入ってきた時点で、レベルというか、ステージの違いを感じて、あっさり辞めちゃったんですよね。だって、そんな年下の子に、6枚落ちで歯がたたないとか、もうやる気なくなりますよね、マジで。向こうは全く覚えていないでしょうけれど、早々に引導を渡されてよかったとも思います。将棋って、暗いイメージがありますけれど、本当に面白い。だけど、当時、ちょうどギターにのめり込み始めてた頃だったのもあり、そういう決断をしたのでしょう。まさに決断力(!?)。

さて、東国原さんの決断力を購入したときにタイトルつながりで購入した本書。偉大なる7冠棋士でもある、羽生さんの著書は初めて読みましたが、軽快な語り口で、ひっじょーうに読みやすい文体でした。

内容は、まさしく決断力にまつわるあれこれでして、棋士としての勝負へのこだわり方や、勝負に対してどのように決断するのか、集中力に対する考え方から、インターネット時代の現代の将棋や棋士の現状やあり方、自分自身の関わり方などに触れ、最後に、将棋界の今後という大きな枠組みで決断の仕方や勉強の仕方などを語るといった構成。

棋士としての目線から語るとともに、他のプロスポーツや会社経営など他のジャンルと共通する部分にも適宜触れる形で、自信の思想を分かりやすく説明しているところも特徴でした。

将棋というと、着物を着て座布団に座って、静かな中で、淡々と対局するということで、スポーツとはま逆に位置するように思いがちですが、プロの棋士の対局、特にタイトル戦などになると、一局に数時間から丸一日、二日がかりといった対局もあるということで、体力の消耗も非常に激しく、また体重なども一日で数キロ落ちるといった話なども、大変興味深かったです。

将棋というのは、チェスなどと同じ流れをくむゲームですが、日本で独自に発展した結果、非常に複雑なゲーム性を持つに至りました。チェスというと、人間対コンピュータで、世界チャンピオンがコンピュータに負けたといったニュースがありましたが、将棋については、まだまだ人間の方が優勢です。それぐらい可能性が広く、奥が深いゲームであるということです。

そんな中、昨今のインターネットの普及で、将棋界の流れもずいぶんと変わっているようですが、その中でも、柔軟に対応しながら、将棋を楽しみ、将棋に取り組み、今なおトップの座に君臨し続ける、羽生さんの言葉は、非常に重く、そして納得感がありました。

具体的なスキル本ではありませんので、これを読んだら決断力がつく、といった類の書籍でもありませんが、将棋に限らず、人生や何かしらの試みに対する取り組み方や考え方といった、大きな、または漠然とした問いに対する答えのヒントが、本書で見つかるかもしれません。とてもよい本でした。これはお勧め。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.enjoy-com.com/mt/mt5/mt-tb.cgi/821

コメントする

        

人気エントリー