読書メモ「地域主権型道州制がよくわかる本」

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最近よく耳にする「道州制」。勉強してみようと思いましたが、まったくもって知識がありませんので、まずは、ざっくり概要でもわかる書籍をと思いまして、[図解]地域主権型道州制がよくわかる本を読んでみました。PHP研究所のムック本みたいなやつなので、きっと初心者でもとっつきやすいはず。ざっと内容を紹介します。

本書は、以下6つの章から成り立ちます。

第1章:新しい日本の「国のかたち」
第2章:『地域集権型道州制』とは何か
第3章:中央集権と官僚制で日本は衰退する
第4章:地歩は国の「下請け」になっている
第5章:『地域集権型道州制』で日本はこう変わる
第6章:『地域集権型道州制』導入の道筋すじ

第1章では、地域集権型道州制(以下、道州制)に移行したときに、どんなメリットがあるのか、どんな国づくりが行われるのかということについてを、初心者でもわかりやすく、超ポジティブにイメージした近未来の様子を描いてくれています。各道州が、独自の政策や税制を推進し、さまざまな方向に急成長する、夢のような世界を表現しています。さすがにこの通りになるなんて思う人はいないでしょうが、少なくとも、そういった方向を目指していくための仕組みであるというのは理解できます。

第2章では、なぜ、道州制に移行すべきなのかという理由や、現状の問題点、実現すべき枠組みみたいな部分についての概要を、現在の状況を踏まえつつ、解説しています。ここでの解説によれば、現在の行政単位(市町村や都道府県)は、馬や徒歩で往来していた時代に考えられたもので、現代社会の枠組みから考えると狭すぎるという点や、中央集権により、人やモノ、金や企業、文化芸術なども含め、東京一極集中、東京独り勝ち状態であることが、結果として、地方の人口減少につながり、地方が十分な行政サービスを提供できなくなりつつある点、中央集権によるお金や組織の無駄、地方の国際競争力のなさからの、国力全体の衰えなどが、大きな問題であるとされています。

また、道州制のモデルは、世界的な成功事例であるEUにならったものであり、また、日本を仮に12個の州にわけたとすれば、それぞれのGDPは、世界の上位で十分通用するレベルになれると紹介します。そして、道州それぞれが競争力を持つことで、最終的に道州制によって、まず、日本全体を元気にする、そのために必要な方策として、中央集権体制を打破し、官僚主義を廃止する、それによって、特性を生かした地域を作りだし、それぞれに国際競争力をつけ、最終的に財政赤字の解消につなげるとのことでした。

第3章では、現状、中央集権のマイナス面について、徹底的に述べられています。主にやり玉に挙げられているのは、中央集権と官僚制。ここら辺の弊害は、もうずいぶん長いこと、メディア等で言われている内容に同じです。

第4章では、その上で、地方が、今、国とどのようにかかわっているかという点を論じます。本書では、国の「下請け」になっていると表現されています。元宮崎県知事の東国原さんも言っていたように、現在の仕組みでは、地方には何も権限がない、ただ、国の指示にしたがって、決められた範囲内で、粛々と、仕事を進めるしかないというのが、仕組み上どうしようもない点なのは知っていましたが、なにがどうなってそうなっているのか、という点が非常に分かりやすく解説されています。

特に、漠然とも考えてこなかった点で、しかしよくよく考えると確かにそうだなぁと思ったのは、地方には、独自に税制を整えたり、あるいは独自に借金をしたり出来ないという部分。地方税なんてのも、国がすべて細かく決めたもので、自主裁量権はほぼないということですし、財源が足りないときの借り入れも、国の許可なしにはできない、さらには、自由に使うこともできないということでは、当然、地方独自の行政は、大きく制約されるのは納得します。国庫支出金の存在によって、地方がどうしても予算消化主義に傾倒する点や、予算確保のための、無駄な「陳情」、それらによる、国会議員の本来の仕事への弊害などにも触れられます。

第5章では、道州制に移行した際の、具体的な「変化」あるいは「改革」される部分についての解説、第6章では、では実際に道州制を進めるにあたって必要なステップはなんであるかという部分に触れて、本書は締めくくられています。

道州制によって得られる未来の姿に関しては、かなり、理想ありきで書かれている本書ですが、現状の問題点と、それに対して、道州制がどのような点に、どのような目的でアプローチし、どのような世界を目指すのかという概要や全体像は、非常に分かりやすく記述されています。

では、道州制に移行したときの弊害やデメリットは? という議論も当然あるのでしょうが、本書の役割としては、十分に果たしていると感じました。

簡単にまとめると、

■現在の問題点
中央集権による東京一極集中により、地方の人口減が止まらない
官僚制度により、すべてを国が決める仕組みのため、地方独自には何もできない。地方ならではの行政が行えない

■道州制によって
国は、外交など、国がやるべき仕事に専念する
道州は、財源や立法など、大きく権限を国から委譲される形で、これまでの都道府県の狭い行政範囲では実現できなかった、広い範囲での仕組みづくりや地域の活性化を促す
市は、全国である程度均一の人口単位、もっとも効率的な行政単位に再編し、地域に密着したサービスを行う
それよりも小さな住民間の団体で、住民が独自にできる部分は、住民が実施する

これらによって、地域色を出し、国際競争力をつけ、また同州ごとや、市ごとにも競争することで、日本全体を活性化させる

みたいな感じでしょうか。

さて、道州制のざっくりとした概要はなんとなく把握できましたので、もう少し、深く勉強してみたいと思います。

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