ウェブライターのスキルと業界が内包する問題

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ウェブ媒体の増加に伴って、以前よりも、ライターという職業の幅が広くなってきました。つまるところは、ウェブライターという存在ですが、今回は、それについて、少し考えてみました。

ウェブライターというのは、ウェブサイト上に掲載する様々なコンテンツ原稿を執筆される方々のことですが、従来の書籍や雑誌、ムックなど、非常に数の限られた媒体と比べると、仕事場となる媒体が無数にあります。要するに、ライターへの発注ニーズが、急増しているということであり、自称ライターへの障壁が下がっているということ。

昨今は、在宅ワーカー、いわゆるSOHOスタイルで、副業や内職がてら仕事をされていらっしゃる方も多く、また、ライターという職業の性質上、何らかの資格が必要なわけでなく、特にウェブライターはPCとインターネット回線さえあれば、誰でもすぐに始められるという点も、増加している要因の一つでしょうね。

で、ここで問題が。

ウェブライターといっても、ある程度権威ある媒体で、記者として活動されているような方や、それに準ずる類の仕事をされている方は違うのですが、広がった「裾野」の部分に該当するライターの方々は、「これで食ってくぞ」なんて気概でやられている方はごく少数です。ほとんどは、本業の穴埋めであったり、外で働けない事情がある方の内職であったりという状況。

特に、(コンテンツの内容にもよりますが)ウェブコンテンツのライティングの場合、質よりも量を求められるケースが多く、発注側も、比較的、安価な単価設定をしてしまう状態にあることは否めません。

そういった状況から考えると、そもそものライターとしてのスキルについては、紙媒体でライターをやられている方よりも、ウェブ専門の方が劣るのは、やむを得ないところかなとは思っています。

しかしながら、それにしても、毎回、基本的な部分から、指摘してあげないといけないケースが多々。それも、500文字程度のサンプル原稿を1つ書いて貰った程度で、ボロボロとダメが出てしまう。

・同じ文言における漢字、ひらがなの非統一
・同じ意味語の重複、ねじれ
・口語
・名詞節(こと・の)を多用し、スマートで適切な熟語表現に置き換えられない
・ら抜き
・三点リーダ(……)を知らない

挙げるときりがないのですが、過去それなりにライティングに関する業務経歴があるとおっしゃる方でも、比較的そういうことが多いです。

ベースのスキル部分や、本人の意識の問題もあるのですが、その愚痴を書きたいのではなく、これはもう、発注者側の業界的な問題を包括しているんだろうなと思うわけです。

上述のように、ウェブ上のライティング案件というのは、安価かつ質より量を求められるものが多いです。そういったアウトプットを求められる案件でライターとしての仕事を積み重ねてこられている方は、恐らく、発注側からも、クオリティについては、何ら指導が入らないのでしょうね。

すると、いつまでも、個人ブログに書き散らしているような文章のまま仕事をしてしまいますし、それで通用すると思ってしまう。そして、ほとんどのケースで通用してしまう。成長する機会自体を与えられないばかりか、それに気付いたり、その必要性を認識することができない。

電子書籍にも似たような問題が少なからず起こるのではないかと思っているのですが、多少なりとも商用誌での経験があれば、納品にあたっては当然編集のチェックが入るため、最低限の部分のスキルは満たされていると判断できるのですが、編集のチェックが入らない、あるいはチェックする人自体が素人である状態で商品として提供される原稿しか経験していないライターさんについては、それが期待できない。

そうしているのは、業界のニーズであり、我々発注者側なんですよね。そして、そういったクオリティの低い文章が、個人ブログからだけでなく、企業からも垂れ流されるという状況。そういう文章を書く方が、職業ウェブライターを名乗る現状。

そういうもんだと受け止めた上で、割り切って発注しないといけないとは思う一方で、そういった発注形態のままでは、本人のためにもならないのだろうなと思う心情が勝ってしまうことが多く、案件的には必要ないのに、最近は日々、赤ペン先生になって頑張っていますというお話でした。

そんなこと堂々と言えるほどの文章はブログでは書いていないのですが、まあ、それはご愛敬ということで。

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