組織運営における「個」の仕事観とモチベーション

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こんなニュースがありました。

厚労・国交省、公式サイトのハッカー攻撃を長期間放置 5月30日14時54分配信 読売新聞
先月、厚生労働省や国土交通省の公式サイトが相次いでハッカーの攻撃を受け、サイト書き換えなどの被害に遭いながら、「週末でセキュリティー担当者に連絡がつかない」などの理由でいずれも対応が後手に回っていたことが、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)の調べで分かった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090530-00000433-yom-soci

お役所仕事、お粗末な事件、という言葉で片付けるのは簡単ですが、こういったことがなぜ起こるのかという点を考えてみたいと思います。

最近お役所に行くことが多いですが、どの役所に行っても、一様に空気がよどんでいるように感じます。公務員の友人知人も多いのであまりひどいことは言えませんが、みんな一生懸命仕事をしているのでしょうけれど、僕たちがいる世界とは、感じられる空気感がまったく違う。

組織に属する者の仕事に対する姿勢を大きく分けると、2つのグループに分けられるのではないかと思います。

・生活の糧と割り切り、与えられた範囲、枠組み、時間の中で、真面目に取り組む人
・企業自体の価値向上、企業を通じたアウトプットに魅力や喜びを感じ、自分ができることは何かを常に模索し、取り組む人

どちらが良い悪いというのはありません。前者のパターンで、真面目にすら取り組まないという人もいるでしょうが、それもそれで、悪いわけではないように思います。自分の人生の中における仕事というものに対する価値感の違い、全ては人生観の違いによって出てくる差でしょう。

役所というのは、一般職員一人の力では到底変えられようもない巨大で堅固なシステムがすでに出来上がっており、またそれらは複雑な各種法律政令を根拠にしていますから、個人での勝手な判断もできないわけです。

その上で、自分に割り当てられた範囲の仕事をこなしていれば、将来も安定、もらえる生涯年収もおおむね分かるわけですから、自然と、それ以上のことはしなくなるはずです。プライベートな時間を仕事に使うといった考え方も当然出てきづらくなります。自分が属する組織のホームページが大変なことになっていても、それに速やかに対応しなければならない理由も見いだせなければ、対応しなかったとしても、既存のルールでは直接個人がとがめられることもないのでしょう。

また、たとえば少々のミスをしてしまったところで、簡単に組織の運営元である国が倒産するわけでもないですし、逆にいえば、自分の仕事の能率を挙げたところで、国が良くなることを実感できるような立場にもありませんから、環境自体が、人をそのように考えるようにさせていると考えるべきなのかもしれません。

従来型の日本企業というのは、前者の要素を多分に含んだ組織運営がなされています。目の前に与えられた仕事に対して、疑問を持つことなく、粛々と進められる人材を多く雇用し、個の個性よりも、組織力を重視したアウトプットを目指す。そういった多くの人たちを、一部の後者の人間がマネジメントするという形。勤勉な日本人にマッチした手法だったのだと思います。

一方、先日、梅田望夫さんのウェブ進化論のまとめにも引用しましたが、Googleの組織マネジメントは、完全に後者の考え方のできる人材のみを集め、そういう意識を持たなければならない環境を与えることによって成立しています。

Googleによる組織マネジメント
情報を共有することによって生まれるスピードとパワー。
Googleが目指すゴール「抜群に優秀な連中を集め、創造的で自由な環境を用意する。ただし情報を徹底的に共有した上で、小さな組織ユニットをたくさん作り、ここがスピード最重視で動き、結果として組織内で激しい競争を引き起こす」

全社員からアイデアを集め、全社員に共有し、ネット上で議論を尽くして優先順位を決めたら、小さなユニットで全力疾走する。数千人の組織内の全員がありとあらゆる情報を共有することによって起こること「情報自身が淘汰を起こす」

大きな組織になると、後者のような思想を全社員に浸透させるのは非常に困難になるのが普通ですが、それを実現しているのがGoogleの組織マネジメントの凄さでもあります。また、それが実現されたときの組織のパワーは、現在のGoogleを見てみれば分かるように、非常に大きく、力強い。

そういう意識を作れる環境とそういう意識を持てる人材。

「お役所仕事」という言葉から、改めてGoogleという会社って凄いなぁと思いました。

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