mixi「個人情報の公開レベル設定機能追加」を考える

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三洋電機社員によるプライベート写真流出事件」や「未成年者の飲酒運転告白による炎上、大学側の謝罪事件」などに代表される、会員の「名前」公開に関連する事件の影響を大きいと判断したためだろう、去る11月10日、mixiは「名前・年齢の公開レベル設定機能を追加実装する」と、告知した。

最近のmixiは、「個人情報の取り扱いについては、あくまでユーザー自身の自己責任である」というスタンスを露出することに終始しているが、今回もそれをより明確にする機能追加であると言えるだろう。

アップデート後の事後報告という形で告知を行うことが通例となっているにも関わらず、この程度の小さな機能追加で事前告知を行っていることから、事態収拾に向けた運営側の努力や焦りが、如実に見て取れる。

(ところで、後者の事件に関しては、大学側が謝罪すること自体、陳腐な印象を受けてしまう。これもmixiというサービスの急速な成長に対して、社会が追いついていないことに起因するのだろうが、これについてはまた別途触れることにしたい)



さて、mixiでは、自分を表す情報として「名前」と「ニックネーム」の二種類を登録することになっているが、mixiや、いわゆるSNS以外のこれまでのコミュニティサービスでは、ニックネーム以外に登録する氏名などの情報は、非公開情報として扱われてきた。そうでなければ、名前とニックネームの差別化が図れないし、そもそもインターネットで実名を公開するのは危険だという認識が、運営側にも利用者側にも、暗黙の、いや、公然の了解であったからだ。

しかし、SNSというサービスの多くは、それを真っ向から否定してきた。そして、SNSで初めてコミュニティサービスに参加したユーザーは、それを当然のこととして受け止めてしまった。mixiが急速に巨大化した結果、あまりリテラシの高いとはいえない多くの初心者ユーザーがこの落とし穴にはまり、公然の了解であった「実名の扱い」が崩れ去りつつあることが、このような事件を助長していると言えるだろう。

先日、mixiは「実名登録は義務付けていない」ということを告知したが、自分を表す情報として、「名前」と「ニックネーム」を登録させる仕様である以上、結果として本名登録を促しているようなものであるし、逆にそうでなければ、二種類の情報を登録させるという仕様に意味がなくなってしまう。

現段階でのmixiが公にしている見解は以下のようなものだ。

1.本名で登録することで、昔の友人、知人から発見されやすくなり、思いがけない再会ができる可能性がある

2.しかし、本名での登録は強制ではない

3.自分ではない別人の名前を付けると「なりすまし」や「騙り」行為と見なされてしまう場合がある
  ⇒要するに、偽名登録の場合、なりすましや煽りと判断すれば、しかるべき処罰を行う可能性があるということを示唆している

4.名前が本名である場合を想定して、友達や友達の友達にしか公開されないような公開レベル設定機能を追加する
  ⇒この場合、本名を登録しても、昔の友人、知人からは発見されなくなってしまう

すでにさまざまな矛盾が生じていることがお分かりだろうか。後付けでポリシー設定しつづけたた結果、「名前」の位置づけがますます微妙なものになっているのだ。

個人情報の公開は「ユーザー各位の自己責任」というスタンスを明確にしつつあるmixiではあるが、これで個人情報が絡む事件がなくなるとは想像しがたい。

もちろん、当然、このような事件が起きたからといって、mixiが「個人情報の流出」という名目で法的に罰せられることはないが、上場企業としてのイメージや、株価・広告収益への影響は無視できるものではないだろう。

今後、「名前」情報の存在自体が微妙なものとなり、また、トラブルをより助長していると判断されることにでもなれば、最終的に情報自体が削除、あるいは完全非公開化されていくのではないかと思う。もし本当にそうなれば、SNSの根本を揺るがしかねないが、あながち、あり得ないとも言えないのではないだろうか。

インターネットで「特定個人」が発言することは、それなりの高いリテラシを必要とするものだということを、われわれは、改めて認識しなければならない。

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