ブログ黄金時代はやってくるのか

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ブログ文化は急速に浸透し、いまやウェブにおけるその重要性はかなり大きなウェイトを占めるようになってきた。

あえて言うまでもないかもしれないが、ブログの優位性については、下記のような点が挙げられる


1.更新の手軽さ
2.「個人が情報発信するためのツール」というイメージ付けの成功
3.トラックバック、pingによる新鮮な情報同士の繋がり、伝達スピードの速さ
4.検索エンジン上位表示における基本的な必須要素のデフォルト実装
5.初級者?上級者まで、自由なカスタマイズを可能とした設計

1に挙げた手軽さの部分に関しては、旧来の日記サービスなどと大差はない。

しかし、これまでのウェブ日記は、ごく身内同士における近況連絡や、独り言的な利用方法、あるいは完全に匿名で、現実世界ではさらけ出すことのできない負の部分を吐露するための利用などが目立っていたように見える。

ブログにおいては、2の個人メディアとしてのイメージ付けによって、「有用な情報を発信するツール」としての認知が広まり、より広い層に受け入れられるようになった。

「私、インターネットで日記書いています」

というと、なんだか暗い印象を受けるが

「私、ブログやっています」

というと、アクティブに聞こえるし、少しステータスが上がったような気にすらならないだろうか。個人が情報を発信する時代、イコールブログという図式のおかげだ。

もちろん、実際には従来の日記とほとんど変わらない利用スタイルのユーザーも多くを占めているのだろうが、イメージというのは重要な要素であり、内情は出会い系サービスや2chとさほど変わりなくなっているmixiのそれとも似ているかもしれない。

次に、3つめの「情報」の繋がり、伝達スピードだ。インターネットの歴史は情報の歴史だと言っても過言ではないように、これまで受信側だった人間すべてに情報発信を可能とし、また、その伝達スピードを革新的に上げてきた。そして、昨今騒がれている「Web2.0」の最大の特徴も、やはりこの情報の在り方に関する変化だといえる。

ブログにおいても、トラックバックとpingという機能によって、これまでの何十倍も、関係性のある情報同士の結びつきが向上し、伝達スピードが上がっていった経緯がある。そして、ソーシャルブックマークやタギングによって、さらに情報は整理・共有されていく。

4つ目においては、一般のユーザーが意識することはあまりないだろうが、非常に大きなメリットだろう。htmlレベルの設計はもちろん、トラックバックによるリンクを受ける側の意思に基づいた被リンク生成によって、意図せずとも検索エンジンに重要視される仕組みを作り、より多くの人の目に触れることを可能としたわけだ。

5つ目のカスタマイズに関しては、デザインテンプレートやサイドバーのコンテンツを選択するだけの簡単カスタマイズから、CSSやscriptの記述などによって、ホームページと比べても遜色ない使用を可能としたことによって、ターゲットとなるユーザー範囲を格段に広げることに成功した。

ブログ出現初期に「ブログと従来のウェブ日記と何が違うのか?」などと真剣に議論していたことが懐かしくも思えるが、ざっと要約するだけでも「強い」サービスであることが分かるだろう。それでは、インターネットにおけるブログの占める割合は、今後も大きくなり続けるのだろうか?

その障壁の一つとして、トラックバックスパムの存在が考えられる。

まあ、これに関しては、e-mailにも同じことが言えるわけで、その対策は日々進歩し続けるであろうから、それほど気にすることもないのかも知れない。

そして、もう一つの大きな障壁として、「個別のブログ内における情報の整理が困難である」という点を挙げておきたい。

確かに、ブログ同士の関連性のある情報同士の結びつきは強くなり、その伝達スピードも格段に進化した。しかし、個別のブログ内においては、整然と情報が整理されているとは、必ずしも言えないのではないだろうか。

一つに、記事が基本的に時系列で並ぶということ。情報の新鮮さ、伝達スピードこそがブログの武器であるため、古い記事への扱いは基本的に低い。ブログと関連性の深い「RSSリーダー」というツールも、「新しい情報をいかに早く効率よく入手するか」ということを実現するためのツールであり、古い記事に関するアプローチは皆無である。

いわゆる「ホームページ」であれば、管理者によって、閲覧しやすいように情報が整理され、それぞれの記事の重要性によって階層を変えることもできる(もちろん、それにはある程度のホームページ作成におけるスキルが必要であり、スキルを持たないユーザーでも一定以上のデザインクオリティのあるスペースを所有できることが、ブログの強みでもあるわけだが)。

ブログにおいても、カテゴリや「タグ」によって仕分けをすることは可能だが、それぞれ仕分けされた中でも、基本的には時系列で記事をさかのぼっていく必要性がある。

情報の新鮮さと伝達スピードに特化していることの弊害だと言える。

情報が整理されていること自体に価値があるホームページにおいては、しばらく更新が止まっているような状況であっても、訪問者は何の疑問もなく閲覧するだろうが、ひとたびそれがブログとなってしまうと、抵抗を感じてしまうことはないだろうか。新鮮さのないブログは、「死んでいる」ようなものだ。

二つ目に、更新の容易性における弊害が挙げられる。思ったこと、考えたことをすぐに発信できることがブログの強みであるから、それがメリットではあるのだが、その反面、じっくりと内容を検証、考察した上で記事を投稿するという行為を軽視し勝ちな傾向があるように思う。

情報の新鮮さに価値の重きを置いているブログにおいては、ブロガーたちは、特定の話題に対して、とにかく早くアプローチすることが求められる。スピードをもって記事を書く必要性があるのだ。

これによって、完成されている記事とは言いづらいえないような、雑記的、備忘録的なものが多くエントリーされることになる。

私もこれまでいくつかブログを書いていたことはあるが、日記のようなものや、思ったことをただただ書き連ねるようなスタイルがほとんどであった。実際、当サイトにもブログを設置しているが、情報の新鮮さに必然性があるもの、たとえば更新履歴のような内容や、ちょっとしたニュースに対する所感をメモ代わりに残しておくスペースとして利用している。

もちろん、それが悪いというわけではない。ブログの武器は、あくまでも情報の新鮮さと、新鮮な情報同士の繋がりの生成、そしてその伝達スピードだ。見方を変えれば、ブログサービス全体が一つの媒体となり、有益な情報をピックアップしているようなものかもしれない。個人個人のブログという枠組みは存在せず、あくまで一つ一つの記事が全体に共有され、評価されるということ。

しかしながら、より「個人メディア」的な意義を持たせるスペースとするのであれば、個人のホームページやブログは、それ単体でメディアとなり、それが製品として見られるに耐え得るクオリティを持つべきだと考える。

もし、ブログサービスにおいて、特定ブログ内における情報の整理、古い情報への価値の付与という二点のアプローチを実現することができれば、真の意味で「ブログ黄金時代」がやって来るのかもしれない。

現時点では、ブログとホームページの強みを、それぞれ理解した上で使い分けることが、理想的な情報発信の在り方ではないだろうか。

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