mixi公認コミュニティの炎上はなぜ起こったか

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事実経過をリアルタイムでは見ていなかったので触れていなかったのだが、下記のようにlivedoorニュースなどでも取り上げられていたようなので、今回の炎上事件についての考察を記しておきたいと思う。

ドコモPR用「SNS」 10日で「炎上」

以前、炎上しないサイト運営にて、コミュニティサイトの「炎上」に関する記事を書いたが、今回は、より「ブログの炎上」に近い事件だったようだ。

詳しいいきさつについてはここでは触れないが、要約すれば、mixi内に立てられたmixi公認のドコモ公式、プッシュトークのPR用コミュニティにおいて、「プッシュトーク以外の話題の禁止」「マイミク申請の拒否」「トピック作成の制限」といったコミュニケーション拒否ともとれる運営方針に対して批判が集中した結果、わずか10日という短い期間でコミュニティが閉鎖したというもの。

さて、いわゆる「コミュニティサービス」は、生きているサービスである。多数のユーザーが参加し、活動することになるのだから、当然、全てのユーザーの意思を統一すること、あるいは行動を操作することは困難だ。

企画・運営側は、ユーザーの行動に対して、指針や姿勢を示してやることはできるが、その利用方法までを完全にコントロールすることはできない。逆にできたとしても、そのようなサービスに、誰も魅力は感じないのではないだろうか。

もちろん、一からコミュニティサービスを立ち上げる場合であれば、サービスの主旨を明確に打ち出した上で、それに同意したユーザーのみを集めることで、ある程度は対応可能である。

しかし、本件においては、すでに存在するmixiというコミュニティサービス(SNS)の一コンテンツである「コミュニティ」を用いているという部分において、大きく異なっている。

「優れたツールと100万人の会員」でも成功しないコミュニティで定義した、サービスの「入口と出口」に関して言えば、ユーザーにとって、「入口」は、あくまでコミュニケーションを目的としたサービスであるmixiである。

だが、mixi内において、このドコモ公式コミュニティは異色を放っていたようだ。最終的にはmixi利用規約に準ずるとはいえ(このmixi利用規約に関しても、後付けでたびたび部分改訂が行われているのではあるが……)、独自の利用規約を持ち、上述したようにコミュニケーションを拒否していると思われかねない運営方針に基づいた管理がなされていたからだ。

コミュニケーションを求めてmixiに参加しているユーザーにとって、たとえmixi公認の公式コミュニティであったとしても、他のコミュニティに対する捕らえ方と明確な違いは感じられないはずだ。少なくとも、トピック作成やコメント機能、マイミク申請機能を、現実に実装しているコミュニティにおいて、一方的にその使用を制限されてしまっては面白くない。mixiがユーザーに提供している基本的な行動を、サービス内の一コミュニティが禁止するという点において、矛盾も感じるだろう。

ドコモ側が考えていた、このコミュニティ運営における成果物である「出口」とは、あくまで「プッシュトークについて理解してもらうこと」であり、けっしてコミュニケーションが主体ではなかったように見える。

ユーザーが「入口」で認識したコミュニケーションサイト「mixi」としてのイメージとは、全く異なるイメージをもった場所「ドコモ公式コミュニティ」。入口の中にもう一つ別の入口が存在したとでも言えばよいだろうか、そのようなパラドックスを、多くのユーザーが意識の根底で感じていたのかもしれない。

細かな点をあげれば、コメント削除の基準・方法・タイミング、ユーザー発言の誘導方法など、いたるところに混乱を引き起こしかねない部分があったのかもしれないが(これに関しては、リアルタイムで事実経過を見ていないので断定することはできないが……)、大きな部分では、公式コミュニティ運営側とユーザー側の意識の差異から生じた炎上事件だったと言える。

さて、近年ブログやSNSが注目を浴びていることもあり、公式ブログの導入を検討している企業は多いことだろう。そして、導入のメリットとしては、顧客の囲い込み、顧客からの忌憚のない生の声の収集、顧客と実際に触れ合うことで感じられる商品に対する温度差の認識、そして、顧客との距離感を縮めることによる身近な企業としてのイメージアップといった点などがあげられる。

そこで懸念されるのは、やはり批判や荒らし投稿によるブランドイメージの低下や、無関係な投稿による費用対効果の低減であるが、しかし、必要以上の削除対応、コミュニケーション自体の拒否や、言論統制とも言えるような方針での運営は、コミュニケーションサービスにとって、その本質を否定する行為であり、逆にリスクを増大させる危険性をはらんでいるということを、充分に認識しなければならない。

コミュニティという対等な場所で顧客と向き合う以上、少なくとも、意見や要望、ちょっとした批判は必ず来るものであるし、極端な話、通常カスタマーサポートで行うべき対応までを、公開した状態で行うくらいのイメージはもっておくべきだ。

いずれにせよ、企業が「コミュニティ」という形態を用いてのPRやブランディングを行いたいのであれば、最低限そのコミュニティにおける本質的な部分を否定することなく、「企業の顔」が見える運営、そして多少のリソースをかけてでも、できる限り近い距離感、対等な立場での対応を心がけることが、まず必要なことだろう。

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