攻めのユーザーサポート

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ユーザーサポートというと、企業内でもそれほど重要なポジションには見られない。組織的にも、下に位置づけられることは多いし、マーケティングや企画といった部署が重要視されるのは仕方のないところだ。というのも、ユーザーサポートという部署は、どうしても「クレーム処理的な側面やテンプレートによる単純作業というイメージが強いし、受け身の姿勢というものが根本にあるからだ。

しかし、コミュニティの運営において、しっかりとしたサポート体制がないことは大きな命取りとなりかねない。また逆に、やりようによっては、ユーザーサポートから、ユーザーを取り込んでいくということも可能である。

ユーザーサポートというのは、ユーザーと直に接することができる唯一のポジションとなる。それだけユーザーも運営側の姿勢を感じられやすいのだ。これを利用しない手はないだろう。

一般的なサポートの鉄則としては、「サイト上に公表していない情報は出さない」「リソース削減のためできる限りテンプレートを充実させ9割は1次対応で完結させる」「人間味はださない」といったことが揚げられるだろう。

しかし、これではなんとも味気ないし、「攻め」のサポートとは言えない。

私が常々思っているのは、少々リソースをさいてでも、よりユーザーの満足度を高めるサポートはできないかということだ。

クレーム処理、単純作業という受け身のイメージがあるから、企業もリソースをできる限りさきたくない。だからこそ、テンプレートでの1次対応完結を求める。しかし、私は、攻めのサポートを行うことによって、ユーザーを取り込んで行く事ができると考えている。そのためには、ユーザーサポートの王道的スタイルからは外れてしまってもよいと考えている。

一つに、サイト上で公表していない情報でも、ケースバイケースで公開するということ。たとえば、ユーザーが求めているのは分かっているがさまざまな問題から実現できていない機能。検討を行ったが、実装を見送った機能。そういった機能について、わざわざ要望を送ってくれるユーザーに対しては、それが現状実現できない理由、あるいは見送った理由をできる限り伝えてやるべきだと考える。

これは一歩間違えば諸刃の剣であり、どんな情報でも出せば満足度を得られるわけではない。ヘタに公開してしまっては、逆に首を絞めることにもなりかねない。「公開できる情報の取捨選択」という能力が、サポート担当者に必須となってくるし、サポート担当者と企画側・運営側のミーティング・意思疎通は充分に行わなければならない。

しかし、出せる範囲でユーザーにその理由を伝えてやることによって、ユーザーは納得感を得られるものだ。また、今後サービスとして実現する可能性があるのであれば、意見したことに対する満足感も得られるはずだ。

「ご意見ありがとうございました。検討させていただきます」

という、お決まりの文句を返信されるよりも、はるかにサイト忠誠度が高まるのがお分かりだろうか。

では、ユーザーに納得してもらえる理由が思い当たらなければどうするか?

そのような理由しか思いつかなければ、運営側が誤った判断をしていると考えた方が自然だ。改めて自分たちの方針を見直す良い機会にもなるわけだ。

もちろん、そのほかにも、ユーザーにはどうしても公開できない情報もあるだろうが、できる限りの範囲で、ユーザーに情報を開示するということは大変重要である。

次に、人間味を出していくということ。ユーザーサポートにおいては、当然ではあるが、テンプレートを用いるケースが多いため、往々にして機械的な返信になりがちだ。しかし、ユーザーというのは敏感なもので、完全にテンプレートでの返信は、そうだと気づくものである。テンプレートだと気づかれてしまえば、それはもう対人間ではなく、機械からのメッセージと同義となる。とても満足度は得られない。

当然、問い合わせの量が増えてくれば、全くテンプレートを用いないことなどできないし、機能説明などはテンプレートを使わない手はない。同じ説明を毎回タイプするのは馬鹿らしいし無駄な努力だ。

しかし、テンプレートを用いる中でも、そのユーザーからの問い合わせに特化した文章を一文でも一言でも入れることによって、テンプレートは実に人間味を持つメールとなる。

たとえば、ご意見・ご要望に対する返信でも、下記のような文言を入れるだけで、「ああ、自分のメールをちゃんと読んでくれたんだな」というのが伝わるはずだ。

「○○に対するご意見ありがとうございます」
「お客様のおっしゃられるように……」

これはもっとも簡単な一例に過ぎないが、こうしたちょっとした手間をかけてやることで、ユーザーの満足度を高めることができる。

「サイトの姿勢」をユーザーに感じ取ってもらうこと。小さなことだが、この積み重ねが、サイト全体の信頼度を高めることになるだろう。

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