コミュニティにおける大人と子供の棲み分け

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ネットコミュニティの多くは、ターゲットをよほど絞ったサイトでない限り、大人も子供も共存することになる。

しかし、多くの場合、大人と子供の利用スタイルには明らかな差異があるのは言うまでもないだろう。

もっとも、大人と子供の明確な線引きは無いが、小学生、中学生前後の年齢の児童たちと、20代半ばから30代以降の大人たちとは、一線を画すのは間違いない。

さて、私がこれまで関わってきたサービスを例にとってみると、子供たちの特徴として、以下のような行動が挙げられる。

・公の場にも積極的に露出する
・知らない人とも積極的に広くコミュニケーションを行う
・コミュニケーションの内容は、いたって希薄なものが大部分
・「共感」することを求める
・話す相手の年齢を気にする

年齢は、仕方のないことだろう。大人ならいざしらず、成長期の彼らにとって一歳、二歳の差は大きな違いを意味する。

広く積極的に活動する子供たちには勢いがあり、サービス提供側にとっては、一見盛り上がってよいように見える。口コミのパワーも凄いものがあるのだ。

しかし、その実、そのパワーの前に、無秩序な雰囲気を作り出しかねない。そして、大人たちにとって、それはあまり良い環境であるとは言えないだろう。

たとえば、全てのユーザーを対象とした公式の掲示板を設置することがあるが、そういう「公」の場所にも子供たちは積極的に書き込みを行う。その内容は、他愛も無いことから、悩み、自ら主催するちょっとしたイベントの告知、果てはマナーに反した行動を行った他ユーザーへの批判など、実にさまざまだ。

最後にあげた「批判」書き込みだが、これは非常に厄介だ。本人はマナーに反した行動だと思ってはいないが、よくよく見てみると実に一方的、かつ根拠のない書き込みであることが多い。

そして、それを見た子供たちは、「共感」を求め、第三者としての冷静な視点をもつことなく、書き込み者に同意し、応援し、批判対象となっている人間を、一緒になって批判し始める。

子供たちにとって、その根拠は必要ないように見える。皆が悪いといっていれば悪いのだし、皆が悪いといっていることに共感し、自らも批判の輪に加わることにより、自分が秩序を守る警察にでもなったような気持ちになる。仲間を作ることにより、自分たちの存在を認識する。

このこと自体が、運営側としては放置しておくべからず行為なのだが、その対応の仕方によっては、「悪い人を悪いと言って何が悪い」「悪いものを取り締まらず、なぜ正義であるはずの自分たちを取り締まる」といった批判が相次ぐ結果にもなりえるのだ。

それが盛り上がってしまえば、発端は違えど、前の記事で触れた「COOKPAD」のようなことにもなりかねない。

そして、それらの書き込みによるそういった雰囲気がひとたびできあがってしまうと、なかなか以前の状態に戻すことは難しい。そればかりか、さらに勢いを増してしまうことが多いようにすら思える。

異常とも思える盛り上がりを見せてしまった子供たちの批判や無秩序な雰囲気に対し、冷静な視点を持てる大人たちは、静かに見守ることになる。あるいは、意図的に関わらないように努めているのかもしれない。

一部、子供たちに正しいマナーを教えようと、果敢に注意を行うものもいるが、子供たちにとって、大勢に反した書き込みなど価値のあるものではなく、また、正義である自分たちに注意するものは全て悪であるかのごとく、まったく無視されるか、感情に任せた批判を頂戴してしまうかのどちらかとなってしまう。

だからこそ、大人たちは表(ここで言う公の掲示板など)には出てこず、それとは関係なく、自分たちの世界の中でこじんまりと楽しむ。

子供たちが悪いと言うのでは、けっしてない。年端も行かない子供たちのこういった行動は、その人生経験の少なさから考えても、当然であるともいえる。特に、インターネット利用の低年齢化している昨今、小学生も平気でホームページを作り、掲示板に書き込みをし、チャットで友達作りに精を出す。

ご自身が小学生の頃を思い出してみれば誰もが納得するように、子供たちは時に無邪気なまでの残虐性を秘めている。

だからこそ、コミュニティの運営には、大人と子供の棲み分けが必要となるのだ。子供たちを正しい方向に導いてやるのは、やはり大人の責任であり、コミュニティにおいては、運営者がその責を追わねばなるまい。

大人を対象とした運営は、ある意味簡単でもある。ある程度ユーザーに任せておいても、正しい方向性と、そしてしっかりと見守っている姿勢さえユーザーに示すことができれば、それなりの秩序は保たれるものだ。

しかし、それと同じ感覚で、子供たちにサービスを提供してしまってはならない。

利用規約に、18歳未満者の利用は保護者の同意が必要と書かれているサービスも多いが、もちろんそんな記述を子供たちが読むことは稀だろう。

それを、利用規約に記述するという行為だけで済ませてしまうのは、運営側の怠慢だろうし、もしくは目先の利益に目を奪われ、最終的には、それがサービスとしての成功を阻害することになるということに、気づいていないだけかもしれない。

また、たとえ親の同意があったとしても、一般社会におけるマナーや礼儀もままならない子供たち。家族と共に出席する親戚一同の集まりなどであれば、間違った作法や無礼な行為をしてしまう前に、親が注意することもあろうが、インターネットではそうもいかないのだ。

18歳未満者の利用を禁止していないコミュニティサービスにおいて、運営側が積極的に大人と子供の棲み分け、利用する区分を区別している例はあまり見ないように思う。

しかし、より大きなサービスになればなるほど、ある意味、大人たちへの配慮と、そして子供たちへのマナーの啓蒙という面からも、「棲み分け」を検討しなければならないのではないだろうか。

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