読書メモ「地方分権改革(西尾勝 著)」
地方分権改革(西尾勝 著)
本書は、地方分権推進委員会の中心人物として活躍し、第一次地方分権改革を実現させた西尾勝氏の、回顧録の形式をとった1990年代以降の地方分権の歩みに関する学術書です。
戦後の地方制度についてから始まり、自身が中心的に活躍した第一次分権改革、第二次分権改革を推進するにあたっての事細かな経緯や総括、平成の市町村合併、小泉内閣による骨太の方針や三位一体改革の中身、阿部内閣下での地方分権改革に関する私見を経て、集権と分権理論の再構成といった考察でしめる流れで、ざっと95年から10年強の地方分権の動きを知るには、好適な書籍だと言えます。
地方分権の今後を考えるにあたって、重要なポイントとキーワードが、随所にちりばめられていましたので、改めて振り返ってみたいとは思いつつも、いかんせん、学問的アプローチからの考察なども多く、前提知識のあいまいなまま、ひとりで読み解くには、非常に骨の折れる内容でした。